理事長便り

2022.08.17

初秋の理事長としての独り言

 初秋の理事長としての独り言

 

平素より組合活動にご理解とご支援を賜り、心より感謝申し上げます。オミクロン株が爆発的に感染拡大して事業活動も儘ならない状況と拝察します。

コロナ禍に隠れて、自動車業界も車体整備及び整備業の情報が届きにくい状況下です。自動車販売と生産はロシアのウクライナへの侵攻によるヨーロッパでの影響 半導体供給不足への懸念からの台湾海峡問題などサプライチェーンへの影響が顕在化され、統計開始以来最低の販売台数が取りざたされています。コロナ禍で概ね3年になろうとしていますが、車検期間で見れば一巡します。

 

ASV販売拡大で車両事故修理も大幅に減少、ディーラーでは特に危機感を募らせている様子です。我々の業界も先が混沌として数年になりますが、ここにきて愛媛でも組合員のご意見を伺うにあたり、仕事量が減少して獲得が厳しいとの話が聞かれます。特にディーラーの下請け車体整備専業者からのお声が上がっています。

 

一方、一部の事業者には仕事が集中し作業が追い付かない状況も聞かれます。事業者の特徴は独自の特化した強みを有しています。他社にない特徴が見て取れます。従来型の車体整備事業者、例えばディーラーからの下請け、近隣整備事業者からの下請け、地域の中古車販売店から下請けは軒並み入庫減少が顕著にみられます。

 

従来からの脱却が今こそ必要です。いち早く気付き独自の顧客に寄り添う営業戦略を構築して、顧客の要望や隠れたニーズを掘り起こさなくては生き残れない時代

或いは固定費・製造原価(材料費ではありません)を徹底的に見直していきながらの原価低減が必要です。作業車入庫拡大は他力本願、原価低減は自力本願ぐらいの対策が必要です。しかし取り組み方法が難しいとのお声もありますが、まず特定整備認証取得は車体整備業を営む上では必須となります。令和6年3月末までには確実に取得しなければなりません。

 

国交省では特定整備認証未取得事業所のASV車体整備事業者に対して「告発と摘発」を実施し、国民に対して安全性を担保する必要性認識を強く持っています。自動車関連団体への働きがけの強化が予想されます。特定整備認証「パターン2」から「パターン3」への移行も求められています。自動車整備業中心の事業所は「指定整備事業者」への移行が求められています。

 

今後の自動車整備業界で鈑金塗装業者は特定整備認証パターン3が必要です。車検整備等の整備事業者には「指定整備事業者」取得が求められと考えています。概要で自動車整備業界での垣根はなく、主たる業務が分かれる方向が予想されます。

 

パターン3の鈑金塗装に求められるASVへの対応は、ボディーアライニングの回復と懸架装置の機能回復を中心とした美観の回復が求められています。

平たく言えば「車体寸法回復エビデンス(証明書)」三次元計測と四輪トータルアライメントで直進性能に対してのエビデンスが車体整備業には必須となりそうです。

 

受け入れがたいニーズですが、他方ユーザーにしてみれば当然の権利です。我々業界も義務となります。最近損害保険会社の管理職とお話をすると今後において損害賠償に叶う事業所が、「県下に存在するか不安」と感じているとのことでした。

市場のニーズ、先進安全自動車対応優良事業所展開への国交省の思惑が一致した感があります。自動車車体整備業界も市場経済化への参入です。

 

弊会では先進安全自動車対応優良車体整備事業者取得を積極的に推進しています。改めての繰り返しになりますが、先進安全自動車対応優良車体整備事業者取得の条件は優良車体整備事業者の特殊整備事業者車体整備作業(一種・二種)工場、または各単組認定の車体整備推奨工場、高度化車体整備技能講習会「電子編」「電子制御装置編」等の講習会を全て受講した自動車車体整備士の在籍、及び設備基準があります。設備基準は大幅に緩和されています。この設備基準がなければ車体整備はできない程度の基準です。特に必要な項目は高度化車体整備技能講習会です。国も30分以内の移動でASVの修理ができる、先進安全自動車対応優良事業所配置を推進しています。今後も見える化対応で業界団体への告知に努めて参ります。

 

このような観点より、組合員の皆様の生き残り策を一緒に考えてまいります。支部会に参加の上、協議して頂きますようお願い申し上げます。

 

まだまだ暑い日々が続きますが、ご自愛くださいませ。

組合活動に対しまして引き続きご支援ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。